ぴぃ・ダイアリー

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心が揺れた瞬間を、出来るだけ書き留めておきたい、そんな場所です。

TO ALIVE BY YOUR SIDE 〜世界滅亡の瞬間のリアルタイムレポート シンデレラガールズ10周年ライブ福岡公演振り返り(5)

アローラ!

ぴぃ高と申します。

 

 ついに、いちばん書かないといけないところまで来ました。

 

 2021年10月3日。

 人生の中で10分間に泣いた総量カウンターがあるとするなら、ダムの決壊を遥かに越える量の涙を流した2回目の経験をした日。

 

 それがこの日、シンデレラガールズ福岡公演で披露された「世界滅亡 or KISS」の瞬間でした。

 

island7beauty.hatenablog.com

 

 喜多日菜子というアイドルに対して、出会いから好きになって行くまでの過程は、ここで一度触れました。

 もう一人の大切なキャラクターの「バーター」として、言ってしまえば「セリフのある村人A」のような存在。そんな位置から、彼女はまるで本当のシンデレラのように、大きな感情を抱くキャラクターになっていました。

 

 そんな彼女のソロ曲をめぐる感情について、書いていきたいと思います。

 

 前回書いた記事では、出来るだけポジティブに、この曲が与えられたことの喜びや、この曲が明るみになったことで、少しでも多くの人に聴いてほしいという気持ちを込めてマイルドな内容を書きました。それも「真実」ではあるんですが。

 この曲が世に放たれたその日、僕はシンデレラガールズというコンテンツに対して心の底からの嫌悪感を抱いてしまいました。

 

 2017年の10月に、「秋風に手を振って」という楽曲をめぐっていろいろあったとき。それ以来の嫌悪感。

  

 それは「喜多日菜子」というアイドルが、ひとりでジャケットを飾ったり、ひとりで喋ったりするCDがこの世に放たれることがほぼ絶望的になったからです。

 

 僕と通話したり、ある程度仲の良い人は知っていると思うんですが、結構な頻度で僕はアイドルマスターは嫌いなので~」と言います。

 この言葉、結構本音で発してる確率が高いです。気を付けてね。

 

 与えられた楽曲は「喜多日菜子」の「創造した世界のうちのひとつ」と、彼女の「私が運命」であるという決意の込められた素晴らしいものでした。あまりにも彼女の等身大の姿を描きすぎていて、こうも思ってしまいました。

 

 「シンデレラマスターのある女たちとは違って、1曲しか作るつもりないから、お情けのように考え抜かれた曲を作ったんだろうな」と。

 考えすぎだと思う方もいるかもしれませんが、僕はこの感情をあと2回味わいます。

 喜多見柚、そして道明寺歌鈴

 この二人もこれと同じ形式でソロ曲が発表され、その度に喜びとモヤモヤの同居した感情を味わうことになります。いや、歌鈴のときはもはや呆れてたかもしれない。

 喜多見柚のソロ曲について書いたとき、一度毒を吐いたこの文章、

 

担当になる前から追ってた時期含めればだいたい4年くらい、曲もなかなか増えず、後から出てきた子にガンガンチャンスが回ってきて歯ぎしりしまくってたし、カバーはゆずで安直だし、直近のCMの発表のときは本気で「しょうもな、アイドルマスターシンデレラガールズこういうとこマジでしょうもない」って思いました。

 この気持ちを幾度となく浴びてきました。それはもう、何度も。

 

 ただ今回は、秋風のときとは違って、コンテンツから距離を置く、ということはしませんでした。あの時は逃げ場のような場所があった、というのもありましたが、それ以上に「離れちゃダメだ、離れてなるものか」と思った。その反動がそこからの一年間に詰まっています。

 

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 目標を決めてまで「嫌い」って毒づきながらプレイするゲーム。その片隅には常に「嫌い」以上に「好き」な存在がありました。その一つである「喜多日菜子」の、彼女だけのステージの、幕が上がる。

 

・世界滅亡 or KISS

 

 イントロの瞬間、

「えっ早いって、まだ死にたくないよ?」って声に出てしまいました。

 前の楽曲は「Sing the Prologue♪」。なるほど、「死 ing the Prologue♪」......今からの死を予見していたんですね。うんうん。今終わってからこの文章書いてて急にあの6人が天使に見えてきた。

 それくらいの意表。入りだしはゆっくり。

 どうやら、死刑のときも辞世の句は詠ませてくれる温情はあるらしいのでまぁ受け入れましょう。

 

 第一部。みんな聴いてたゲームサイズ。王子様探し。希望に満ち溢れた、彼女の夢のプロローグ。とても甘い。毒って最初甘くてあとから痺れるって聞くしそういうことですよね。うん。それは白雪姫だ。

 

 そこから二部。三部と進むにつれて、日菜子の歩みは危険な方向に向かっていきます。それにつれて、ペンライトを胸元から動かすことができずに、ギュッと握りしめる強さが増していくのを感じていました。普段素手なのにちゃんとこういう時はペンライト買ってるんですね。

 

 四部、セリフの詠唱パート、前に披露したときよりすごく早く早く、前に前に行ってて、焦らないで、あなたの今日の夢を焦らないで、とものすごく手に汗を握っていました。ドラえもんの夢を覗ける秘密道具を使ってるかのような時間。(ゆめグラスっていうらしいです。初めて知りました。)

 

 第五部。衣装にフードがついていたことをはじめて知った魔女の登場シーン。出てくる登場人物は全部日菜子の中にしか居ないはずなのに。第六部。ひとりの女の子の決断に、そして自分の在り方の宣言にもう押し寄せる感情が止まらなくなっていました。

「私の運命は私が決める」

「私の決めた王子様が王子様」という

「ブレない芯」。

 ひとつの世界で繰り広げられた、彼女の無数の妄想のひとつの表現の中で必ず固定されているその芯、自分の彼女の好きなところ。

 見届けられてよかったなと。心から思いました。

 夢から醒めて、第七部。呆然と立ち泣きするのなんて初めてでしょうね。この前大泣きしたときは床に物理的に伏せたけど、この日は終わってから会場の天井の高さを実感していました。

 あれだけ北九州に来た時に「憂希...来たよ...」って言ってるくせに、「祈りの花」の印象が全くない、というオチがついてしまいました。

 彼女にとっての王子様。見つけるまで寄り添うしかないなと、

 魔法が切れるまで、付き合っていくしかないなと、

 そう思った一日でした。

 

 翌日。

 

 目を開けると、見慣れない天井、無機質な色のカーテン。

 いつもとはちょっと違った朝でした。

 あの日のことは紛れもなく現実で......

 一日たったあとも確かに世界は続いてて、

 僕は彼女から元気をもらっています。

 いつか未来に、彼女が王子様を見つけ出せるまで。

 

 とっぴんむふふのふ♪

 

 

 以上。今回のライブの振り返りでした。

 書きたいことはすべて書ききったんじゃないかと思います。

 最後のほうは少し自分の語りが多くなってしまい、なんだお前と思われてしまいそうですが。素直に書ける場所は素直に書く、というのが信条なので。

 オタクのみなさん、またお会いしましょう。

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