2022年、初現場。感じた「歩み」と「力」~DIALOGUE+「ぼくたちの現在地2022」「moon-side」
アローラ!
ぴぃ高と申します。
今年こうやって文章を書くのは初めてですね。
年は変わりましたが、変わらず参加したイベントの感想中心に、好きなように自分の視座を言葉にしていこうと思います。
さて、2022年。
毎週何かしらの現場に参加していた2021年10月~12月と比べると、とても落ち着いた3週間を過ごしました。記憶にあるのは落ち目の殿様コンテンツアイドルマスターの女の脱いだ後の布の塊を観て興奮する会衣装展示会くらい。
この間現場はおろか、多分オタク誰一人ともエンカウントしてないはず。「会ったよ!」って方がいたらDMしてください。
そういったちょっとした充電期間を経て、参加した2022年初めての現場が、
声優アーティストグループDIALOGUE+の
全力ライブ「ぼくたちの現在地2022」
そして全編アコースティックで行われた、「moon-side」。
2021年のグループの歩みを振り返る構成となった昼、新しい試みの夜の2部構成で開催されました。
ということで今回はこのライブについて、感想を書いていきたいと思います。
・全力ライブ「ぼくたちの現在地2022」
2021年のDIALOGUE+というグループの活動を振り返り、時系列に対応した(その時期にリリースされたり、初披露されたりした)楽曲が披露される、という流れの公演でした。
このグループの「船」のようなものに乗り込むきっかけとなったのが4月の「ぼくたちのかくめい![再]」だったので、その日を境として、グループに対する汽水域のようなスポットが存在しています。
具体的にいうと、このグループを追いかけていた友人の姿を眺めていた時期と、僕自身が追いかけるようになった時期。
この時期の違いで、抱いていた感情、特に僕自身の「好き」なものに対する気持ちやスタンスの変化があったことを再確認した、そんな公演でした。
・アコースティックライブ「moon-side」
こちらは夜の部。
少し過去から、少し未来にかけて現在の立ち位置を示す昼の公演とは少し異なる、新しい試み、といえるものでした。
ダンスのフォーメーションや身体を動かして楽しめる、という強みがクローズアップされているなか、「楽曲」という強みをぶつけていく公演。ちょっとしたアンチテーゼが含まれているように感じました。
普段のDIALOGUE+の現場、というイメージから離れた、常時着席で、光による演出も控えめな会場。1曲目、この日の昼も聴いたはずの、いままで何度も聴いたはずの「おもいでしりとり」。
歌の入りで「時が止まる」と過去に表現したことがあるのですが、この日は、「スローモーション」のようで。1曲目から異なる歌い方、アレンジの妙で引き出す楽曲のまだ見ぬ表情やメンバーの皆さんの表現。普段よりMC多めで、曲の変化している箇所、聴きどころを語ってくれるメンバー。
着席ゆえの合法彼氏面で楽しませていただきました。
アコースティック、という言葉イコール静か、という受け取り方で敬遠した人も是非アーカイブで触れて欲しいな、と思わせてくれるライブでした。
ここからは披露された楽曲に対する感想を。
全力ライブでは、2021年、ものすごい勢いで駆け抜けていったグループの活動を象徴するように、披露された楽曲もスピード感のあるものが多かったのですが、そんなライブの1曲目に披露された「あたりまえだから」。
「あたりまえ」が「あたりまえ」じゃなくなってしまった時代に投げる曲としてはあまりにアイロニックだな、と、はじめて彼女たちの楽曲を意識的に漁ったときに感じたこと、
のちにCDを購入し、歌詞を読んで、この曲に込められた「あたりまえ」のニュアンスに気づき、「なるほどなぁ~」とめちゃくちゃ大きい溜息をついたこと。
このグループを応援したい、という感情の変化の中にある、隠れたターニングポイントのひとつに立ち帰らせてくれました。
初めて参加したときも、この日も、ライブの開催の判断自体が難しい決断となる状況で、彼女たちのステージを観ること自体が「あたりまえ」といえなくなりそうな中で、小さな、ぼんやりとした「あたりまえ」を拾いあげていく、そのスタンスを一番最初に表明しているように受け取りました。
両部ともに披露された「走れ」、実は現地で聴くのははじめてでした。
メインボーカルを務める稗田さん、鷹村さんの力強さを据え置きに、ダンスの動きの激しさが重なった昼、情熱的なアレンジで、「静か=アコースティック」ではない、シンプルなぶん引き出しが増えるぞ、というメッセージを感じた夜。
夜でのスタンドマイクからハンドマイクに切り替わる終盤の稗田さんのマイクの使い方、めちゃくちゃキマってました。研究、大事。
「走れ」のほかに両部とも披露された曲がいくつかあったのですが、昼のほうで印象に残っていたのが「プライベイト」。
ツアーではシャボン玉だったり、席の位置だったり、見どころ聴きどころが多すぎたりでなかなかこの曲を歌う宮原さんを観れなかったのですが、この日はしっかりと目で追えました。
いろいろなところで言われている彼女の良さである、常に全力のパフォーマンスももちろんですが、ほかのメンバーにない「奥行きのある動き」が好きなところにあって。
この「プライベイト」でもその良さを感じられて満たされました。
ストライクゾーンを立体的に使える投手くらい宮原さんの奥行きの表現は良いので是非注目して欲しいです。
対して、夜のほうが印象に残っていたのが「透明できれい」。
伴奏がシンプルであるからこそ、ソロパートに比重が置かれたこの楽曲の、それぞれに振り分けられた歌詞がすっと入ってくる感覚に襲われました。ツアーのとき、昼のときに聴いたときは「これまでの歩み」のような重みが重なってきてダメになったのですが、やっぱシンプルに歌詞だけでもダメだわこれ。(誉め言葉)何度この曲に精神を破壊されればいいんですか。
ほかのアコースティックアレンジに無かった振り付けもありましたが、それが無くともたぶんしんどくなってたんだろうな、と。あ、要らないというわけではありません。しんどさは乗算されるので「うわぁ~踊ったぁ~!!!」という気持ちも重なってます。犯罪なので取り締まりをお願いします。
昼のみで披露された楽曲ではラストに繋がる2曲。
「はっちゃけダイアローグ+クリスマス」は有観客でどうなるか、と思っていましたが案の定楽しかった。振り付けも可愛い。特にプレゼント交換。
そして新曲、「僕らが愚かだなんて誰が言った」。
ほっぺすりすりなんてもんじゃない、確定麻痺程度じゃ生ぬるい。
アナライズジバコイルのでんじほうが必中になって襲い掛かるくらい、いやそれ以上の電撃が走りました。
「全力」という言葉にふさわしい動き、表情。シャウトするメンバーの気迫がすごい。この曲聴くためだけにアーカイブ1000円払ってもお釣り来ると思います。
夜のみの楽曲では、デュエットで披露された「謎解きはキスのあとで」「I my me mind」「20xxMUEの光」が、それぞれの味を出していたなと感じました。
「謎解きはキスのあとで」はアコースティックライブの発表があってから、真っ先に浮かんだ楽曲のひとつでした。ザ・ポップと言える曲調、アコースティックギターで弾き語りしている画が浮かぶ浮かぶ。
原曲アレンジから音がそぎ落とされた分、内山さん、宮原さんの歌い方も変化していて、より世界感というか、その「夏場にたまにある、日は射しているのに雨がパラついているような情景」が浮かび上がってきました。
2人とも、この曲を歌うときにいつも持ってる傘が無い分、片手がフリーになって楽しそうでしたね。
「一緒に帰ろう」の傘無しVer.の動きを観れるのはココだけ!
「I my me mind」、僕がもともとBase Ball Bear脳なこともあってもともとのアレンジが大好きなんですけど、(気になる方はBase Ball Bearの「彼氏彼女の関係」という楽曲をチェック!Base Ball Bearのことを知らない?構いません。このツイートの方がボーカルのバンドだということを覚えてもらえれば。)
あらためてこんばんはプロジェクト、アイドルソングベスト2021 ありがとうございました!#こんプロ pic.twitter.com/bC4QjTS1cn
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) 2022年1月4日
ジャズ寄りのアレンジもなかなかに良い。原曲がランウェイなら、このバージョンはさしずめ緒方さんと飯塚さんが主役のロードムービーのようでした。
「20xxMUEの光」、どうあがいても「楽しい」曲は変わりませんね。楽器触ってる守屋さんと村上さんめちゃくちゃ楽しそうだった。
入場、ズルすぎる。
先に取り上げた「走れ」含め、デュエットという形にすることで、パートの振り分けが変化しているのも新鮮でした。
普段小道具を使っている「謎解きはキスのあとで」に小道具が無く、ほかの曲に小道具がつけられていたのは狙った演出なのでしょうか。
そして両部ともにラストナンバーとなった「ぼくらは素敵だ」。
新曲で少し見通しの立っている未来を覗かせてから、「現在地」に立ち帰るような流れとなった昼。久々に聴けた感動もそうなのですが、優しい歌を力強く歌いあげ、(特に最後のサビに入っていく飯塚さん、このグループを好きになってから、はじめて会場で聴くからこそ「吸い込まれる」ポイントでした。)手を振って幕が下りていく、内山さんの「このあと、moon-sideで会いましょう」という挨拶も含め、続いていく活動、全力のスタンスの維持を示唆するかのようでした。
そして夜。
声を出せない、ライブの楽しみ方も変化した、そんな今。
きっと声が出せたら、「ラララ......」と合唱しているであろう箇所、
そこを「声を出さないけど歌える」、ハミングで歌ってほしい、という提案。
え、天才?
客席側からレスポンスすることが困難になってしまった時代におけるウルトラC。
櫻井和寿から「擬態」のサビを「任せた!」とマイクを向けられた時の福岡ドームがデジャブのように浮かび上がってくる、そんな客席の一体感がそこにはありました。拍手、一礼し、退場ー。
と、いうことで、2022年、初現場。
去年いちばん感情を動かされた、といっても差し支えないグループの「歩み」、そして楽曲の「力」を浴びて、良いオタクライフのスタートを切れたんじゃないかなと思います。
来週の今頃は枯れた死体になっている可能性が高いですが。まぁ現地じゃなくなったし大丈夫やろ!(フラグ)
ということで、皆さん。
2022年もどこかでお会いしましょう。
ぴぃ高
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おまけ
~チロっと触れた楽曲コーナー~
~思い出の写真を供養するコーナー~
昼ごはん
心に剣 輝く勇気
確かに閉じ込めて
奇跡 切り札は自分だけ
ポケモン不思議のダンジョン オタク探検隊
終演後の一枚、ありがとうございました。