「ミリシタ」を辞めて、半年が経った。(2)
*この文章は、先月書いた文章
コレの「続き」のつもりです。新しい「好き」を拾う過程で、昔の「好き」にふと寄り道したときのお話。別の記事とくっつけるつもりだったんですけど趣旨がズレそうなので個別になりました。
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ミリシタを辞めて、7ヶ月目。
765プロASのライブに行った。
そう、開催は実に4年ぶりらしい(ということは、あのど田舎のガラガラLVで初星観たのも4年前?!)765プロASの単独ライブ。チケットは持っていたけれど、正直あまり乗り気では無かった。
実際に2週間以上も整理に時間を要した「推しの、推したる所以」に完璧に向き合いきれてない中途半端な気持ち、(コレのこと。この日の時点で文章絶賛迷走中だったので苦しかった。)
そしてある種の「サヨナラ」を告げたコンテンツのピースである存在を見に行く、というセンチメント。
「行くべきではないのかもしれない」という気持ちは、当日まで消えることは無かった。身内に挨拶しつつ、知ってる曲が来たら良いな〜程度のモチベーション。
その低いモチベーションに対しては余りにもお釣りが多すぎた。
「リゾラ」「目が合う瞬間」「Nostalgia」「Miracle Night」etc……
雑に7年アイドルマスター触ってるせいで、ほぼコンシューマーをプレイしていない僕でも知っている楽曲たち。「生きてるうちに、コレを現地で浴びれるんだ……」という感慨が、電流のように身体の細部まで走り抜けていった。
この日の感情のピークは「M@STERPIECE」。会場中から湧き上がる歓声の中、会場から切り離されているような感覚を覚えた。
このコンテンツに触っていちばん最初の明確な拗らせ、斜に構えこそが何を隠そうこの楽曲。(最初が適当に触ったグリーな時点で斜構だろと言われたら返す言葉が無いんですけど……)この曲、実はあんまり好きでは無い部類にいた。
グリーのゲームを触っていちばん最初に目について以来、惰性のように推してきた箱崎星梨花というキャラクター。彼女が出ていると聞いて物は試しと観た劇場版。そこでの扱いの薄さに気落ちした僕は、映画の主題歌であった「M@STERPIECE」に対して、「推しがモブの映画の主題歌を好きにはなれない」という感情を持ってしまっていた。
しかしこの日。この曲。数年間の歩みを表現する演者の皆さんのパフォーマンスに感動すると同時に、
「どうしてこんな良い曲が、僕に取って"無理"だったんだろう」 という気持ちが生まれた。
コンテンツ全体に触れて7年、そのいちばん最初に感じた負の感情。ある種の怨念。それが手からすり抜けるのを肌で感じた。
「アイドルマスターミリオンライブと、その中の箱崎星梨花という女の子が好きだった自分」が、自分のはずなのに、遠く離れた人物になってしまったことを突き付けられたような気がした。そんな5分半。
今まで味わったことのない、不思議な感覚がそこにあった。戻れる場所はあるのに、戻りたい自分は存在しないジレンマ。推しという概念が存在しない、虚ろだけど、不思議と愛おしさを感じるハコを、じっと目に焼き付けていた。
「Th@nk You!」とラベルを貼って、いつでも手に取れるようなところに置いてあったタイムカプセル。
「若かった」や「懐かしい」とラベルを貼って地中深くに沈めてしまうのには、まだ時間が必要なのかもしれない。