ぴぃ・ダイアリー

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心が揺れた瞬間を、出来るだけ書き留めておきたい、そんな場所です。

「ミリシタ」を辞めて、半年が経った。

 

ミリシタを辞めて、半年が経った。

 

 とまぁ、こういう書き出しをするとまたどこそこの信者が湧いてきて、

 

「グリーの老害がまた騒いでる!」

「シンデレラしか触ってないヤツが口を出すな!」

「周年前の空気に水を差すのはやめてくれない?」

アイマスは紛う事なき神コンテンツであり、それを侮辱する、蔑む行為は到底許されません。少しでも至らない点があると判断した場合は私共が然るべき処置を」

 

 とか言い始めるんだろうけど、彼らの殆どはVtuberや配信は切り抜きで観てるくせに、アニメを観るためだけの理由で購入しているテレビの偏向報道に対しては顔を真っ赤にして怒りはじめる、ブレと矛盾の塊のような存在なので論ずるに値しないし、きっと彼らもこの先を読む前に、大好きなソシャゲで磨き上げた時速(笑)を活かして、ブラウザバックをしているに違いない、と思いながらこの文章を書いている。

 

 さて、話を戻して。

 ミリシタというゲームを手放してから半年。

 

 最初は少しばかり寂しい感覚があった。ゲームをプレイした最後のイベント楽曲は「ミラージュ・ミラー」。

 このコンテンツに熱量を持って臨んでいた頃の懐かしい気持ちを引きずったまま、しばらくは界隈の行く末を見守っていたり、コンテンツから提示されたハッシュタグ「ミリシタ心の1曲」を荒らしてみたり。好きな女子に悪戯をする小学生か、とツッコミたくなるようなふるまいをしていた。

 そんな中途半端な気持ちに整理をつけたのが2月。偶然とはいえ握ることができた8thライブ。

 

 ミリオンライブという列車にそのまま乗っていても、コンテンツが見せてくれる景色は僕が見たいと望んだ景色とどんどん乖離していってしまう、というマイナスの気持ちを、久々に浴びたミリオンライブにしか鳴らせない音を浴びた感動とともに小さく畳んで、「Thank You!」というラベルを貼って記憶の隅っこに押し留めた。コンテンツと出会って7年。小学校を1年留年してようやく、タイムカプセルを埋めることができた。 

 

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 それに付随して「まだギリギリ推し居るから耐えてる」別ブランドのシンデレラガールズでも、「いちばん本気で頑張った222時間を超えた先の、最高の4分半」を味わい、ミリオンライブに留まらず、アイドルマスターというコンテンツの全てに対して蓋をするような感覚があった。

 

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 心の片隅に、雑に尖ったまま置き去りにされていたストレージ。それが整理されてから、その中に沢山の新しい「好き」なものが詰め込まれはじめたように感じている。

 

 去年さんざんあるオタクに

 

「お前は変わっちまったよ......」

とか

「立派な声豚さんに育ちはりましたなぁ......」

とか鼻で笑い飛ばしていたが、僕も大概変わった。そいつは1枚のCDを渡してからあっという間にズブズブな沼にハマっていったが、おそらく彼よりも短いスパンで新しい概念に次々と手を出していった。

 

 その変化の一歩目が件の8thの直後に手を出したウマ娘

 

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 「アニバーサリーだしやってみるか」と軽い気持ちで手を出したらあり得んくらい癖に刺さるキャラクター、カレンチャンに出会ってしまったのが終わりの始まり。イラストを漁り、ストーリーを読み、挙句の果てにはライブまで参加してしまった。

 

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 想定外だったのはそのキャラクターの中の人である篠原侑さんにも現時点で「堕ちかけ」ていることである。気軽に聴ける10分間の番組が平日昼のhntb......ひなたぼっこのルーティンになりつつある。

 

 5月末には篠原さんと、僕にとってデカすぎる感情を得すぎて狂ってしまった喜多見柚の中の人、武田羅梨沙多胡さんのお二人による公開生放送に運よく参加することが出来た。場所は半年ぶりの大阪。まさかアイドルマスターでも、去年ハマったDIALOGUE+でもないきっかけで今年初めての遠征カードを切ることになるとは思いもよらなかった。

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イベントの内容はホントに他所に出すことのできない内容だらけだったが、後日絞り出した感想に私信を貰えたので1週間ニチャニチャの止まらない昼休みを過ごすことになったそうな。いや、負けてないけど。

  

 そんな大阪で持ち帰ったのは、キモオタスマイルの思い出だけでなく、宿を提供してくれた友人がガチャガチャで一本釣りしたカレンチャンのラバーストラップだけでなく、磔にされて見せられた一本のアニメであった。

 

 それがラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の2期、第一話。

 

 虹ヶ咲という作品、実はこっそりと1期だけ視聴をしていて、そのときはただただ「あれ、自分の聞いている『ラブライブ!』という作品のパブリックイメージと違う」という印象を受けた、大学生時代の数少ない「完走したアニメ作品」であった。そのため当然2期も期待していたのだが、タイミングが全く合わず、リアルタイムで追いかけることが出来ないまま10話まで進んでしまっていた。

 おそらく大阪で1話を観ることがなかったら、この文章を書いている頃には、「来週こそ一気見しようかな~」とか言いつつズルズルと時が経ってしまっていたと思う。高校時代からのどうしようもないオタク仲間の数少ないファインプレーである。自宅に帰ってから2週間後。顧客都合で長めの休みを貰ったため、そこで2期を一気見した。

 

 そこからはあっという間だった。

 1期で総ざらいした既存のキャラクターをユニットとして深堀りしつつ、新たに加わったキャラクター達をかけがえのない同好会の仲間として描いていく展開。一気見した10話以降はリアルタイムで、毎週が楽しみでたまらない日々を過ごしていた。

 特にミア・テイラーというスクールアイドル。彼女がメインで描かれた9話。完全にこのキャラクターにゾッコンになってしまった。自らに蓋をしていた彼女に「視座さえ違えば評価は変わる」という気付きを与え、彼女が届けたい歌を、ひとりよがりではなく「we」-私たち-で届けたいと歌い上げる「stars we chase」。観終わったあと、10話に進むのに心のラグが生じてしまったくらいには胸を打たれてしまった。


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 9話のほかには5話、8話、12話が特に突き刺さるポイントがあった。この話はいずれまたできればいいな、と思っている。

 

 そんな自分にとって縁遠いはずだったのに、気づいたら近くにあったラブライブ!。 その最終回が先日放送された。

 その日はいつものように、一人で見届けようと考えていたのだが、思いがけずお誘いをいただき、たくさんの「コンテンツの犬」の皆さんと時間を共有しながら最終話を観ることとなった。ことあるごとにこの場所で「癖」のひとつと宣言していた「時間の流れ」を感じさせる、素晴らしい最終回であった。この感想をいつまでも話していたかったが、夜を徹したのにもかかわらず時間が足りなかった。いずれ小出しにしながら、次の展開を待ちながら、全13話の余韻に浸ることになるだろう。

 

 そんな僕にとっての「新しい好き」を共有する受け皿になってくれたのが、僕にとって「辞めた」ゲームである「ミリシタ」で知り合った人々であった。その日、13話の感動を共有する時間が足りなかったのは、僕にとって、2月12日を機に蓋をしたはずのコンテンツに対する、「好きだった気持ち」を呼び起こすような会話が止まらなくなってしまったことが大きな原因である。

 

 このブログという場所に何度か、ええい、どうにでもなれ、とヤケクソに吐き捨てた感情。

 それを拾い上げてくれていたことがとても嬉しかったし、今なお前線に立ってミリオンライブというコンテンツを追っている人たちとも、その話題についてまだ言葉を交わせる、というか矢継ぎ早に話ができる自分に驚きもした。

 

 どうやらあの日、深く自分の闇に潜って文章を書いていたせいで気づかなかったが、7年間分のタイムカプセルは、地中深くではなく、気づいたらいつでも掘り出せるような場所に置いてあったらしい。

 

 その日の帰り道。

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 「Colorful Dreams! Colorful Smiles!」を聴きながら、朝5時のウマ娘のログインボーナスを受け取り、その日の11時50分からの篠原さんの出演する生放送に合わせてアラームをセットして歩くときに目に入った、ミルクを多めに混ぜた紅茶のような朝焼けはとても綺麗だった。

 

 ミリシタを辞めて、半年が経った。

 

 整理されて小さく凝縮された、コンテンツを好きな気持ちの余白には、これから多くの好きなものが埋まっていくんだろうな、という予感がある。