ぴぃ・ダイアリー

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心が揺れた瞬間を、出来るだけ書き留めておきたい、そんな場所です。

「簡単に好きなことは変わらない」ことを突き付けられてしまった話〜「喜多見柚」そして「道明寺歌鈴」

 アローラ!

 

ぴぃ高と申します。

 

 突然ですが、2022年1月26日は何の日でしょうか?

 


 そう、テレビアニメ「CUE!」の主題歌CDである

 AiRBLUE「スタートライン/はじまりの鐘の音が鳴り響く空」の発売日です。

 

 16人それぞれにパート、歌詞の振り分けの二面からスポットを当て、「かつてない疾走感を感じさせる5分半」を与える「スタートライン」、

 一歩目の大事さ、その一歩目から先のスピード感を丁寧に描写した「はじまりの鐘の音が鳴り響く空」。

 コンテンツの新たなはじまりを彩る素晴らしい楽曲となっています。

 


 当ブログをご覧の皆さんは既に手元にお持ちかと思いますが、

 ……まさかお持ちでない?

 分かりました。2月の現場でお渡しします。

 


 と、ここまでスキップ不能の広告を流してきたわけですが、ここからが本題。

 明らかにアイドルマスターシンデレラガールズの話をしそうなタイトルで別コンテンツの話をしたワケ、なんですが。

 

 このCDのカップリング曲として収録されている「空合ぼくらは追った」という楽曲があります。

 この曲は書く書く言いながら結局世に出していない記事のテーマである「CUE! Reading Live ~Wind&Moon」で初披露されました。

 この日まで丹念に暖められた優しい時限爆弾、思い出ボム、追い討ち、無慈悲。そんな言葉が似合う破壊力。当日終演後はズイタウンの先にいるコダックの如く頭を抱えていました。

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 そんな曲の「セイポ」(精神が破壊されて床になっちゃうポイントの略)が、今回の記事のタイトルになっている「簡単に好きなことは変わらない」という歌詞。

 

 2021年、ポニーキャニオンから提示されたセイポ概念ランキングで「どうしようもないくらい今が好き」と並んで Tier.1に位置付けられているこのフレーズ。

 

 「好きだけど手放した」

 「好きだけど離れざるを得なくなった」

 「好きだけど離れようと思ってる」 

 

 そういった「好き」な何かと距離を置く決断をしたことがある(現在進行形でしている)僕のような人間には突き刺さって抜けないものになっています。 

 

 さて、ようやく本題。

 今回はTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY M@GICAL WONDERLAND TOUR!!! 」のトロピカル(沖縄)公演について文章を綴っていきます。

 

 本来であれば現地参戦する予定だったのですが、昨今の情勢でオンライン開催となったこの公演。

 コンテンツの推し、(担当って言わないとダメぇ?)「喜多見柚」のソロ楽曲「思い出じゃない今日を」を見届けて、コンテンツの呪縛から逃れる、という計画が崩れ、僕が現在書いている「コンテンツから離れるための卒業論文の完結が遠ざかりました。

 

うーん、留年!笑笑

 

 はい。いつも通りのナナメ視点からスタートですね。仕方ない。こういうスタンスでしか生きられないので。

 現地に行って見たいものを見届ける喜びが日常に戻りつつあったなかでのオンライン開催。

 それでもこの2日間を見届けたあとは、「あ、見れて良かったな……」という気持ちになっていました。

  

 その気持ちの根源は「簡単に好きなことは変わらない」と感じられたことにあります。

 その「好きなこと」というのが、

 担当である「喜多見柚」であり、

 少し疎遠になっていた、担当と言うにはなんか違う、という立ち位置にいるキャラクターのひとりである道明寺歌鈴

 2人のキャラクターに対して、言葉をギュギュッっと絞り出していこうと思います。

 

・喜多見柚 〜気づいたときには、救われていたかもしれない、そんな女の子。

 

 アイドルマスターシンデレラガールズというコンテンツを、「もう一度」追いかけたいと思い始めてから3年弱。

 この期間に4人のキャラクターに対して大きな感情を持って接してきたのですが、いちばん熱を持っていたのは彼女だと思っています。「推し」と冠している概念や存在に順序をつけるのは好きじゃないんだけど、質量はあきらかに違う。大人になったら(社会人になったら)緩やかにフェードアウトしていくんだろうな、と思ってたらあんなことが起きたし。

 

 あんなこと↓

island7beauty.hatenablog.com

 

 イキリ終了。

island7beauty.hatenablog.com

 さて、喜多見柚の話。

 このコンテンツを追いかけていて、何度かよくわかんないくらい泣いた経験があるんですけど、ライブ以外でわけわかんなくなるくらい一生泣いてたのは上の記事にある、彼女のソロ曲が世界に放たれた瞬間だけかな、と記憶しています。

 それくらい感情を揺さぶられたキャラクターのソロ楽曲「思い出じゃない今日を」

 

 この曲の初披露となった「Happy New Yell」以来、僕の音楽ライブラリから出禁を食らうことになるのですが、その日以来実に一年振りにこの曲を聴きました。普段から聴けるわけねえだろこんな曲。点滴のかわりに催涙ガス流してるようなもんだぞ。

 

 一年振りに聴いたイントロで、突然発狂する患者に変貌し、終わる頃にはもう息も絶え絶え。マスク・ド・マスキュリンに鼓膜を潰して卍解を対応されたときの三番隊隊長さんくらいあっさりと地に伏してしまいました。

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 途中のカメラワーク。武田さんのシルエットだけを映し出したと思えば、後ろに回って背中を映し。ステージに立つ時間が長くなればなるほど解像度が増していくパフォーマンス。フィニッシュは「柚として」の少し照れが入ったような台詞。

 

 全体的に夏を思わせるセットリストの中に、彼女が吹き込んだ冬のはじまりの風が、撫でるように優しく通り抜けていきました。

 

 この楽曲、初見のときに絞り出した感想メモに残っていたのが、

 

 これ聴いたときに「これ喜多見知らんと書けないだろ」って思った

 

 という一文でした。

 この答え合わせが武田さんの今は亡きフリートであったり、「マジカルエキストラタイム」という場所であったんですけど、


www.youtube.com

 

 案の定でしたね。そういう人しか書けない。

 

 彼女の「実は割とヒキで周りを見てる」ような内面と、「とにかく元気!」なパブリックイメージとの「差」があること。

 「このキャラクターなら、コレ!」という、いわば「象徴するアイコン」が喜多見柚というキャラクターに浮かびにくいこと。

 

 そういう触れていなければ分からない、立ち止まって彼女を見つめなければ気付かない、少し間違えば欠点になりかねないポイントを拾い上げて、とんでもない劇物を作り上げたsteμさん。

 

 そんな曲を、「ステージで歌うなら、柚なら,絶対泣かない」ように、笑顔で歌い上げた武田さん。心なしかHNYの時よりも柚の解像度が上がって迫ってくる感覚がありました。

 

 お2人にはマジで足向けて寝られません。寝てるときの方向教えてくんね?女性声優の寝てる方向リストとかまとめてる人がいたらご一報ください。

 

 さて、大量の尺をソロに割いたわけなのですが、彼女の楽曲でどうしても言及しなくてはならないものがもうひとつあります。それが両日披露された「パ・リ・ラ」

 

 「思い出じゃない今日を」が、彼女の内面を映しているものだとすれば、この「パ・リ・ラ」はどちらかというと外に映る姿、「パブリックイメージ」的な印象を与える楽曲。

 

 彼女が深く内面を晒すフェーズから、周囲の人々を「楽しい」の渦に巻き込んでいく彼女の「アイドル」としての在り方を再び示していくようになる、というちょっとしたドラマのような転換点を感じずにはいられませんでした。

 

 その転換点に、彼女というキャラクターに与えられた「BomDia!」という新たな「ユニット」としての枠組み

 

 彼女にボイスを付けようと出来る限りのことを頑張って、ボイスが付いて。

 

 そこからちょっと隠居するんですが、そのときも続けてひっそりと願っていた「スターライトステージ発」のユニット楽曲「あんなこと」が無くても、きっと思い入れのある楽曲になっていたのではないでしょうか。

 

パ・リ・ラ (M@STER VERSION)

パ・リ・ラ (M@STER VERSION)

  • provided courtesy of iTunes

 

 こんなに明るく楽しい曲なのに、1日目に聴いたあとには産まれたての子鹿状態になっていました。踊りながら泣いたのは生まれて初めてだよ。え?2日目?4分間踊り続けてたので全身筋肉痛だが。

 

 いつか5人揃ったところ、観たいっすね。こうして他界他界詐欺は続いていく......

 

 産まれたての子鹿状態から帰ってきたあと、MCでの武田さんのひとこと。マジでうろ覚えですが「柚に救われる人がいれば、」みたいなニュアンスの話をしていました。

 

 なんというか、その。

 キャラクターに救われる、みたいな感覚。

 自覚したことは無いですが。

 

 追いかけてるうちに、感情を巨大アトラクションのように揺さぶられ、気づいたときにはそばで笑っているような、めちゃくちゃ思考とかが似通った「あこがれ」の存在。それが僕にとっての「喜多見柚」。

 

 そんな彼女に、もしかしたら「救われていた」のかもしれません。

 

 あ、どっかの顔面アルファベットのバケモノが言ってたようにうつ病が治るほど大層なもんでもないっすよ。そこまで握られては無い。

 

道明寺歌鈴 〜彼女を見て、言葉を紡いだ2年前から、ここまで。

 

 時は巻き戻り、2020年2月。

 シンデレラガールズ7thLIVE大阪公演。

 この日「いちばん見たかったもの」が、「道明寺歌鈴」でした。

island7beauty.hatenablog.com

 そのときに書いたブログがコレ。この人すごいですね。歌詞もコミュも思ってる以上に読んでるしさぞ今も顔面アルファベットであることに「誇り」を持っているんだろうなぁ……

 

 まぁ自虐はこれくらいにして。

 この日以降、道明寺歌鈴というキャラクターから徐々に距離を置くようになります。

 

 就職活動とかいう回避不可避のイベントのために、ライブへの参加とか、ゲームに対して、この日で一区切りと決めていたことも手伝い、その時点で見たかったものは全て見届けられた、という満足感に支配されたんですね。

 

 ここから語られるのは、そこから先のお話。

 

 先の文章を書いてから、程なくして、道明寺歌鈴というキャラクターに起きた大きな出来事。それが高森藍子とのユニット「インディゴ・ベル」による「ほほえみDiary」という楽曲の誕生でした。

 

  特定のカップリングを好きになることが滅多にない(なんならこのコンテンツの担当二人並べて「キタキターズ」とか言ってるのもそこまで好きじゃない)、百合本の売り子をしていたクセに百合が苦手、そんな人間の僕が、例外的に「好き」と言える2人ユニット。ひとつは佐久間まゆと喜多日菜子の「ドリームアウェイ」。もうひとつが「インディゴ・ベル」です。

 

 この2ユニットのツボはどこか、と言われたらすごく曖昧な表現になるのですが「ギリギリ共依存になりかけだけど女の子同士の過度のイチャイチャ的な関係性が排除されたライン」を持っているところ、ここに尽きます。わかりやすく言うと、めちゃくちゃ「距離感が良い」。

 

 そういう特別な見方をしているユニットの楽曲。いずれ来たらできる限りスターライトステージのイベントも頑張りたいな、と思ってました。

 

 そう、頑張りたいと思っていた、ということは、頑張れなかった、ということです。

 

 この時期はメンタルも体調も絶不調でとてもゲームに割ける自分のなかのリソースが無く、「なんでこのゲームやってんだろ......」と本気で思いながらイベント期間を過ごしていました。不埒なCANVAS?知らない子ですね......

 あれだけ楽しみにしていたのに、満足にできなかった後ろめたさはありますが、

「聴きたかった、求めていたインディゴ・ベル」を「ほほえみDiary」という楽曲が提供してくれました。

 ちょっとの心残りと、それを上回る満足感が、人を次のステップに進ませる、とはよく言ったもので。

 

 このイベント以降、道明寺歌鈴というキャラクターについてめっきり言及しなくなりました。別のコンテンツに新しい女を見つけたのもちょうどこの頃。何かに手を伸ばしたら、抱えているものが手からすり抜けていくように、彼女に対する熱が冷めていきました。

 

 と、言いつつも。

 供給があると多少は推していた人間の顔付きが戻ってきてしまうもの。

 

 新年明けて一発目の限定SSR

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 知ってた。アナスタシアと大槻唯はそれぞれ4枚ずつ出たのでマジでCygamesは遠隔操作悪徳ヘイトゴミ企業。KONAMIの次に倒産して欲しい。

 

 そして、新年ライブ「Happy New Yell」。2日目のトップバッターで披露された「義勇忍俠花吹雪」、そして「ほほえみDiary」。後半にとんでもない爆弾があったせいで記憶が薄いのですが、それぞれのユニットのピースとして動く歌鈴というキャラクターを見届けました。この公演のBD?未開封だけど……

 

 そして、21年の3月末に「満願成就♪巫女の神頼み!」というソロ曲の誕生。

 マジで待ってた。待ちすぎてキャラクターのことを推してるのかどうか怪しくなる立場になってしまったくらいにはずっと待ってた。

 シンデレラガールズ劇場のアニメ経由で発表されたソロ曲の作りの良さを感じられる、聴いたら道明寺歌鈴というキャラクターがポン、と浮かび上がる、そんな楽曲。頭を抱える患者になったことを覚えています。

 ただ、この曲が誕生したことは、自分の中の「アイドルマスターシンデレラガールズ」というコンテンツに対する「終わりの始まり」でもあります。一度でも「担当」と意識したことのある4人。その全員にソロ曲が生まれた。ひとつの区切りを迎えた瞬間でした。この区切りを迎えていなければ、「コンテンツから距離を置く」という選択肢はなかったと思います。

 担当じゃなくなったキャラクターに対する、唯一の「未練」

 キャラクターのことが「好き」である証左

 

 今回のライブの2日目に、その楽曲「満願成就♪巫女の神頼み!」は披露されました。

 公演の共通衣装の上から和を感じさせる衣装を一枚羽織って登場した新田さん。もともと持ち合わせている、道明寺歌鈴というキャラクターを演じているときの「そこにキャラクターがいる」感じが、より強く感じられました。

 歌鈴というキャラクターのアイコンをふんだんに(バナナまで入ってるのは初見のときホントに笑った)盛りこみつつ、アイデンティティ、ルーツ、ドジという欠点、全てを応援してくれる人の幸せに還元したい」という決意表明と、

 1番の歌詞では「神社のお掃除をしている」普通の巫女が、「巫女でアイドル」になっていく、時間経過を感じさせる歌詞。

 

 勝てるわけないんだよな。次の曲(Last Kissとかいうバケモン)のイントロですぐ蘇生したけど。

 

 ソロ曲の他に道明寺歌鈴の見せ場として言及したいのは、Day1のユニット曲2つ。

 まずは「ほほえみDiary」。

 HNYよりも近づいた距離感で披露された2人のパフォーマンス。1年間の慌てず、急がず歩いてきたユニットとしての堆積を感じさせるものでした。

 そして「夏恋 -NATSU KOI-」

 2年前の大阪で披露された「Max Beat」。それ以上のデカい声が出てしまったポイントでした。それそれそれそれ!!

 「可惜夜月の文脈を超えた「かっこよさ」の会得」を感じた大阪以来のクールな道明寺歌鈴の姿。しかも遠山明孝サウンド切なげで刹那げな夏の一瞬を切り取った楽曲を歌い上げたあとの余韻はたまらないものがありました。

 

 この2日間、

 待ち侘びていた楽曲を、ユニットとして。

 オリジナルメンバーではない楽曲を、新たな一面を示した日よりももっとパワーアップして。

 彼女のために作られた楽曲を、彼女らしく。

 ステージの上で表現する新田さんの姿を見て強く思ったのは、「あ、このキャラクターのこと、まだ普通に好きだわ」ということ。

 

 道明寺歌鈴さん、一度離れたコンテンツに戻ろうと考えたきっかけでもあり、そのコンテンツからゆっくりと抜け出そうとしている今の僕の入り口ともなった、何かと因縁を背負わせてしまったキャラクターになってしまいましたが、草葉の陰から、バナナのヘタからそ〜っと応援するのでよろしくお願いします。

 

 と、いうことで。

 感想戦は終了なんですが、やっぱり現地で観れなかった虚しさは捨てきれませんね。

 

 福岡公演で見届けることができた「世界滅亡 or KISS」や7th幕張2日目の「ヒカリ→シンコキュウ→ミライ」のような、「今何が起きたのか分かんないけどとりあえず立ち尽くすことしか出来ない」感覚を柚、歌鈴のソロ曲でも味わいたかった。

 

 コンテンツ全体に対しての気持ちが薄れても、「簡単に変わらない『好き』」になってしまったキャラクターであるからこそ、こういう気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。

 「見たいものリスト」の全てを見つくしたあとにどうなるかは分かりませんが、暫くは亡霊のようにコンテンツの末端にしがみつくんだろうな、と思います。俺は妖怪。

 

「簡単に好きなことは変わらない」

 初心を忘れない、みたいな前向きな読み取りもできれば、僕のように胸の締め付けを食らったときの表現にもなるすごいフレーズだべホンマ。なんなんすか。

 

 さて、時は2月。

 次はマジで末端の妖怪と化してるコンテンツの現場に行くわけなんですが……

 まとめサイトだけには絶対に載らないように気を付けます。

 

 それでは。